他校の全国模試は受けなくていい(TACも大原も)

他校の全国模試は受けなくていい(TACも大原も)

 

「他校の全国模試は受けたほうがいいのかな~」

と迷っている方向けの記事です。

 

結論からいうと他校の全国模試は受ける必要ないと思います。

 

筆者は法人税は自分の学校(TAC)の復習をちゃんとやったおかげで

受かったといっても過言ではありません。

 

また、簿記論は他校(TAC)の全国模試に振り回されて

不合格になったという筆者の失敗談もありますので

 

そのへんも参考にしてもらえればと思います。

 

他校の全国模試は受けなくていい

他校の全国模試は受けなくていい

他校の全国模試は受けなくていいです。

 

理由は

・他校の全国模試は大原もTACも必ず見ているので、答練に織り込んでくれる。または、授業でフォローしてくれる。

・受けても復習しきれない。または、他校の全国模試の復習に時間を使ったために、自校の答練の復習が疎かになる。

の2つです。

 

他校の全国模試は大原もTACも必ず見ているので、答練に織り込んでくれる。または、授業でフォローしてくれる。

受験予備校は受講生が思っている以上に他校を意識しています。(多分)

他校の全国模試で出た問題が本試験に出題されたせいで、

自校の受講生が不合格になるということは何が何でも避けたいはず。

 

と考えれば、各予備校は他校の全国模試の内容のフォローを

入れざるを得ないということになります。

(よっぽど奇抜な問題はフォローしないと思いますが)

 

各予備校は自分の学校のカリュキュラムどおりに勉強を進めれば

合格できるようにしているはずなので

他校の全国模試を受けなかったせいで不合格になるという可能性は低いでしょう。

 

 

受けても復習しきれない。または、他校の全国模試の復習をしたがために、自校の答練の復習が疎かになる。

他校の全国模試を受けたはいいが、復習できないというほうが問題です。

直前期は計算はもちろん、理論の暗記でいっぱいいっぱいのはずです。

 

他校の全国模試を受けるとなれば

・解答に2時間

・解説動画で1時間

・復習で2~3時間

くらいは軽く飛んでしまいます。

2度3度復習するとなればもっと時間がかかります。

 

理論暗記に不安があるのに、

・普段と違う緊張感を味わうために

とか

・自分の予備校の出題形式に慣れないために

という理由で貴重な時間を使うことについては疑問が残ります。

 

繰り返しになりますが

各予備校は自分のところのカリュキュラムだけで

合格できるようにしているはずですから

 

自分の学校の復習は、

常に他校の全国模試よりも優先して行うべきだと思います。

 

第68回法人税法本試験問題とTAC法人税法上級演習⑦

自分の学校の復習を優先すべきという話でしたが、

自分の学校の復習をやっておいてよかった具体例をご紹介します。

 

第68回法人税法本試験では「資産の評価損」についての問題が出題されました。(理論マスターは6-18)

なんとこの問題、TAC法人税法上級演習⑦の超類似問題だったのです。

 

【第68回本試験問題】(正確に書くと話がぶれるので枝葉を省いて要点だけ書きます)

甲社が有する機械装置Dは、商品の製造方法の急速な進歩によって旧式化しており

その経済価値が著しく低下している。

そこで、機械装置Dについて評価損を計上した。

このときの評価損の金額が、当期の損金の額に算入されるかどうか、

理由とともに答えよ。

(筆者注:適用される規定がわかれば解答できる問題でした。)

 

【TAC法人税法上級演習⑦】(これも要点だけ書きます)

甲社が購入し事業供用した機械装置について、

性能が著しく進歩した新製品が発売されたため、

当期において、機械装置について評価損を計上した。

このとき適用が想定される法人税法上の規定を答えなさい。

 

びっくりするくらい似てますよね。

ちなみにこの問題は

・法人税法は原則として資産の評価損を認めていない。

・なんだけど、「棚卸資産」が著しく陳腐化したら評価損を認めるよ。

(ここまではみんな知ってる)

・なんだけど、「固定資産」が著しく陳腐化しても評価損は認めないよ。

原則処理に戻ってね。

というひっかけ問題でした。

 

さらに続きます。

 

本試験の問2では「青色欠損金の繰越控除」が出題されました。

(理論マスターは12-1)

これもTAC法人税法上級演習⑦の超類似問題でした。

 

【第68回本試験問題】(要点だけ書きます)

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度について

(1)中小法人等の意義について答えなさい。

(2)制度の概要について中小法人とそれ以外の法人に分けて答えなさい。

(3)制度の適用要件について答えなさい。(筆者注:手続きを解答させる問題です)

 

【TAC法人税法上級演習⑦】(要点だけ書きます)

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度について、

次の各問に答えなさい。

(1)中小法人等の意義について答えなさい。

(2)規定の内容について答えなさい。

なお、手続きについては解答不要とする。

 

どうでしょうか。

(試験委員はTAC法人税法上級演習⑦を参考にして

問題を作ったとしか考えられません。)

 

以上のように、全国模試だけが大事な問題ではありません。

全ての答練が予備校の予想問題だと思っておくといいと思います。

 

ちなみにTAC法人税法上級演習⑦は2月に解いた問題ですから、

上級期まで戻って復習できた人と、

直前期の復習に追われて上級期の復習ができなかった人とでは

解答スピードにかなり差があったと思われます。

(特に「資産の評価損」は)

 

他校の全国模試が出たらどうするのか

他校の全国模試がでたらどうするのか

とはいえ、「他校の全国模試の問題が本試験に出たらどうしよう

と思われるかもしれません。

 

ところが、筆者が「全国模試の問題が本試験に出たな」と思ったのは1回だけです。

これも法人税法でした。

 

【第68回本試験問題】(要点だけ書きます)

問4(筆者注:最終問題です)【資料1】から【資料3】までに基づき、当期の別表五(一)を完成しなさい。

 

【TAC法人税法全国公開模試】( 要点だけ書きます)

問6(筆者注:最終問題です)【資料1】から【資料5】により、当期の別表五(一)を作成しなさい。

 

問題の最後の最後に、

「いままで解答してきた答えを1箇所にまとめて解答してね」

という類似問題でした。

問題の内容ではなく、問題の形式が同じだけでしたが。

 

ただし、前から解答せず、問題全体を見てから解答するという手順を常にやっていれば

初見でも解ける問題でした。

法人税 全国模試

 

 

筆者の話の流れからすると都合の悪い情報ですが、

このようにたしかに全国模試が本試験に出る可能性はあります。

 

しかし筆者が税理士試験を受けて、全国模試が

本試験に役に立ったのはこの1問だけでした。(覚えている限りですが)

 

また、上で説明したように、

重要なものはかならずフォローが入るはずですし、

なによりそんなに重要なものなら

自分の学校の答練のどこかで出題されるはずです。

 

他校の全国模試で出たものは

自分の学校のどこかの答練に出ているものだと思っていて大丈夫だと思います。

 

 

他校の模試のせいで勉強の方向性を間違えることもある

他校の模試のせいで勉強の方向性を間違えることもある

ここからは筆者の失敗談です。

 

筆者は大原で簿記論を受講していたのですが、

勉強の調子が良かったのでTACの全国模試 も受験することに。

 

筆者は当初、「基礎ができれば受かるはず」と考えており、

大原の直前対策テキストを軽視していました。

(授業を受けただけでほとんど復習していない状態)

 

ところがTACの全国模試で大原の直前対策テキストの問題が

大問1つ使って丸々出題されたのです。

(たしか、セール・アンド・リースバックとか為替取引の仕訳)

 

当然復習していないので白紙で提出。。。

そこまで成績がよかっただけに強いショックを受け、

急いで方向転換して大原の直前対策テキストを復習することに。

 

「これは、直前対策テキストもやっておかないと受からないな」と。

受験1年目だったこともあり、かなり焦りました。

 

ところが、いざ蓋を開けてみれば、

本試験では直前対策テキストの問題は一切出なかったうえに、

 

直前対策テキストの復習に重点を置いてしまったために、

基本テキスト(たしか№4)の減損会計を忘れて不合格になったという

苦い経験があります。

 

全国模試はやはりその学校のカリキュラムベースで作られているので、

他校の全国模試を受けたことで自分の勉強の方向性を変えてしまうと

良くない結果になるという教訓にしてください。

 

税理士試験はなんだかんだで基本が大事です。

 

他校の全国模試を受ける場合の目安

他校の全国模試を受ける場合の目安

筆者は他校の全国模試を受けたり受けなかったりしましたが、

その経験から筆者なりの目安を示したいと思います。

 

ちなみに筆者の他校の全国模試に対する取り組みはこんな感じでした。

・簿記(勉強は順調だった)   →   全国模試会場で受けた(役に立たなかった)

・財表(勉強は順調だった)   →   全国模試会場で受けた(役に立たなかった)

・所得(勉強は順調じゃなかった)   →   受けなかった(問題を取り寄せることもしなかった)

・法人(勉強は順調だった)   →   問題を取り寄せてパラパラ見ただけ(役に立たなかった)

・消費(勉強は順調だった)   →   問題を取り寄せてパラパラ見ただけ(役に立たなかった)

 

他校の全国模試を受けるかどうかの目安

・復習の時間が取れなそう   →   受けなくてよい

・勉強が順調で、かつ、復習の時間が取れる   →  受けてもいい

・勉強が順調じゃない   →   受けなくてよい

・勉強は順調じゃないけど問題がどうしても気になってしまう   →   問題だけ取り寄せて心の安心を買う

・勉強は順調じゃないけど、「もし他校の全国模試が本試験に出たら1発逆転で受かるかも」と思ってる人   →   受けなくてよい

 

要するに、勉強が順調じゃないなら受けなくてよいと思ってます。

また、勉強が順調でも復習時間が取れないなら受けなくてよいと思います。

他校の全国模試より自分の学校の答練を優先するほうが良いです。

 

さて、

ここまで筆者の考えを書いてきましたが、

当然、最終的に決めるのはあなたです。

 

勉強が順調でなくても

どうしてもいつもと違う会場で受験したいんだ」

という方はもちろん受けてよいと思いますし、

 

成績が良くても

自分の学校を信じていく」

という方は受けなくていいと思います。

 

この時期になれば習熟度の差はかなりついているはずですので、

それぞれの状況に合わせて受けるか受けないか考えてみてください。

 

ただし、心の安心のために問題だけ取り寄せておくのはアリだと思います。

実際に解くかどうかは別にして。

 

要は、自分の学校の復習の時間を奪われたり、

変に振り回されたりしなければよいのです。

 

ちなみに筆者は、「勉強が順調でないなら

問題を取り寄せる必要もないんじゃないかなあ」と思います。

 

まとめ:他校の全国模試より自分の学校の答練を優先すべき

まとめ:他校の全国模試より自分の学校の答練を優先すべき

 

まとめます。

・他校の全国模試を優先すると基本がおろそかになるかも

(筆者の簿記論の失敗体験を参考にしてください)

 

・逆に自分の学校の復習をしっかりやるといいことがあるかも

(筆者の法人税の成功体験を参考にしてください)

 

・他校の全国模試の問題は自分の学校のどこかの答練で出題されるか、

授業でフォローが入る(はず。よっぽど奇抜な問題でない限り)

 

・したがって、自分の学校の復習を優先順位の1番にするべきである。

 

ほとんどの受験生は自分の学校の復習でいっぱいいっぱいのはずです。

(特に理論暗記で)

 

この時期から時間の価値はぐんぐん上がってきます。

他校の全国模試にそんな貴重な時間をとられて、

自分の学校の復習がおろそかになった結果、

不合格になったり(筆者の簿記論)、

 

おいしい問題が解答できなかったり(筆者の法人税)

することのないようにしましょう。

 

あくまで優先順位

1.自分の学校

2.他校

だということをお忘れなく。

 

ご自身の

・勉強の進み具合

・手持ちの勉強に使える時間

を考慮したうえで

受けるかどうか判断してみてください。

 

この記事が他校の全国模試を受けるかどうかの判断材料になれば幸いです。

 

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