(最終更新日:2020年8月30日)
法人税の理論はボリュームがめちゃめちゃ多い
現在、法人税を学習されている方は、膨大な量の理論を前にしてさぞ圧倒されていることと思います。ぼくもその一人でした。
しかもネット上には100題もおぼえきった猛者がごろごろ・・・
今回は、「じゃあ100題おぼえないと法人税は受からないのか・・・」と不安におもっている方へ、
「いや、70題くらいおぼえれば受かる可能性はあるんじゃないの?」というお話です。
(TACで受講していたので理論マスターベースでお話します。ちなみに筆者は運良く一発で法人税に合格できました。なお、法人税受験時は受験専念生でした。)
筆者の理論戦略
まずは自分を知ろう
まずは自分の能力、モチベーション、可処分時間からどれだけおぼえられそうかを把握しましょう。
筆者は法人税の理論が1番おぼえづらかったので全然暗記がすすみませんでした。
さらに、筆者は暗記の範囲を広げれば広げるほど、基礎がおろそかになることがわかってたので、Cランクは覚えないと決めていました。
(例えば連結納税制度はすべて切りました。どうせ覚える能力もなかったしね☆)
次に敵を知ろう
税理士試験は相対試験。受験生全体の状況も考えましょう。当時の自分の考えはこうです。
・100題覚えきれる人は絶対に10%もいない。(絶対にいません!!!)
・覚えられる人は多くても2~3%と予想
・法人税の合格率は10%。たとえCランクが出ても100題覚えきれた上位2~3%の人に抜けてもらって、残りの7~8%に入れれば良い。
・Cランクを覚えに行ったためにA・Bランクの理論が曖昧になることを避けたい。
・直前期に理論に時間が取られたために計算がおろそかになることを避けたい。
・法人税に時間を使ったために他の科目(消費税も一緒に受験しました)に使える時間が減ることを避けたい。
以上のような考えのもとA・Bランク+Aランクの参考と用語の意義とプラスαを暗記しました。
また、A・Bランクでも◎をしっかり覚え、△はほぼすべて切ってます。
これでもAランク・Bランクだけで70題はおぼえました。
また、Cランクは予備校のテストでも問われないので、覚えるモチベーションが湧かなかったというのも覚えなかった理由です。
(予備校の出題予想は見るな!という方もおられますが、自分は穴が空くほど見てました(笑)筆者のように理論が苦手な方、前半サボっちゃってなんとか追いつきたい方はガンガン見ましょう。得点が伸びないせいでモチベーションが下がり、勉強を続けること自体が嫌になっちゃうほうが怖いです。)
なお、筆者の受験時はAランクが2問出題されたので筆者の運が良かっただけという可能性も十分考えられます(笑)(第68回本試験は青色欠損金の繰越控除と資産の評価損失でした)
とはいえ、個人的な体感からいえば100題は不要。30題では少ない。70題あれば十分に戦えるレベルではないかと思います。
100題暗記することの弊害~知識のドーナツ化~
手を広げることの弊害はなんといっても知識のドーナツ化でしょう。
いついかなる時も、大事ことは、原理原則、基礎基本です。
Cランクまで手を伸ばしたために、基礎のA・Bランクが疎かになっていしまっては受かる試験も受かりません。
↓
実際、経験者の方は気持ち的に手を広げたがるので(気持ちは本当に良くわかりますが)、
基礎が崩れる可能性が大いにあります。
個人的に、初学者が経験者に勝つ理由はここにあると思っています。
知識ドーナツ化経験者 VS 基礎だけしっかり初学者
では、ほぼ間違いなく初学者に軍配が上がります。
経験者の方で知識のドーナツ化に思い当たることがある方は、
一度自分の基礎力を確認してみることをおすすめします。
実務書を読んでると感じますが、予備校のテキストは実はめちゃめちゃよくまとまっています!
他の教材に手を出すのは遠回りな勉強法です。
法人税に何年もかかってしまっているようなら、
筆者のように思い切ってCランクを切ってみてもいいかもしれません。当然責任は取れませんが・・・(汗)
初学者の方へ
初学者で法人税に一発合格したい方(かつ、勉強が全然追いついていない方)は断然Cランク切りをおすすめします。
初学者は計算だけで手一杯なはずです(法人税は計算だけでもめちゃめちゃボリュームがあります)。
Cランクの理論を覚えにいったために、Aランクの計算問題を落とすような事があってはいけません。
(直前期は授業でCランク理論も解説もありますが、復習は一切しませんでした。)
どうしても税法といえば理論!!!というイメージがありますが、税法は計算ができないと絶対に受かりません。
これからの直前期に計算の時間を減らしすぎるのは間違った戦略です。
ネット上の「超」優秀な方々は「今日はCランクを〇〇題おぼえた」とかつぶやきますが、
惑わされず、着実に計算をマスターしましょう。
(TAC Twitter校や、大原 Twitter校では優秀な人しか成績を公開しないので受験生全体が優秀に見えてしまいますが、例外中の例外です。無視しましょう。)
また、同時に他の科目を受験される方は、法人税のCランク理論よりそちらの科目のA・Bランクを理論優先しましょう。
繰り返しますが、法人税の理論を100題覚えられる人は絶対に10%もいません!!!
Cランクが出たら、まずはスルーし、計算を解く時間が増えた!とポジティブに考えましょう。
※TACの全国模試の結果です。Cランクの理論をおぼえにいってたら多分計算がこれほど固まっていなかったと思います!!!
それでもCランクを覚えなきゃ不安だという方へ
「でもCランクが出たら怖いし・・・」という方へ。
Aランク・Bランクが出て曖昧な文章しか書けないほうがもっと怖いです!!!!!
経験者であれば初学者にあっさり逆転される可能性もあります。
とくにAランク・Bランクがおさえきれてない方はきっぱりCランクを切りましょう。
Aランク・Bランクの理論がおぼえられていない状況ならまず間違いなく計算に穴があります。
Cランク理論より計算を優先させるべきです。
税法は計算ができなければ絶対に受かりません。
ゆめゆめお忘れなく。
手続き規定(更正の請求と修正申告)が書けずに落ちて、非常に悔しい思いをしました。この経験から、Aランクが出て書けないのはめちゃめちゃ悔しい!
ということを学んだので法人税ではCランクを切るという思い切った戦略が取れました。
理論を切る勇気はめちゃめちゃ大事です。
まとめ
法人税の理論のCランクは覚えないことをおすすめします。(特に初学者の方は)
なぜなら、Cランクまで覚えきれる人は2~3%しかいないので(あくまで推測ですが)、
仮に本試験でCランクが出題されても、残りの7~8%に入れば合格できるからです。
また、Cランク理論を覚えにいったせいで、A・Bランク理論が曖昧になることや計算ができなくなるという事態は絶対に避けましょう。(法人税は計算だけでも相当ボリュームがあります。)
自分のキャパ・モチベーション・可処分時間を考慮したうえで、A・Bランクは完璧に覚えられたし、計算は絶対に崩れないと確信できる方だけ、Cランクまで覚えましょう。
編集後記
100題覚えきった方からすれば、甘えるな!と思われる戦略ですが、
個々人の制約条件(特に頭の良さと可処分時間)を考慮した結果の戦略ですので批判されてもどうにもなりません。
(批判されても頭は良くならないし、可処分時間は増えない)
他人の事は気にせず、自分の合格可能性が一番高くなる戦略を見つけましょう。
筆者の理論のおぼえ方についてはこちら
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