新型コロナウイルスによる死亡者について数字を確認してみる【厚生労働省】

新型コロナウイルスによる死亡者について数字を確認してみる【厚生労働省】

こんにちは筆者です。

ふと気になったので、新型コロナウイルスによる死亡者について公表されている数字を確認してみました。

死亡者数

4月30日時点の新型コロナウイルスによる死亡者数は10,226名とされています。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

死亡者数のカウントの仕方

死亡者数は各自治体がウェブサイトで公表している数等を積み上げて計算されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html

各自治体は何をもって新型コロナウイルスを原因とする死亡としているか

厚生労働省は2020年6月18日の事務連絡で各都道府県や保健所設置市に対して次のような通達を出しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000641629.pdf

 

・厚生労働省としては、可能な範囲で速やかに死亡者数を把握する観点から、感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、亡くなった方を集計して公表する取扱いとしています。

 

・したがって、事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」については、厳密な死因を問いません。新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、都道府県等において公表するとともに、厚生労働省への報告を行うようお願いいたします。

 

・新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、厳密な死因を問わず、「死亡者数」として全数を公表するようお願いいたします。

 

つまり、新型コロナウイルス感染症の陽性者がなくなった場合は他に死因があったとしても新型コロナウイルスによる死亡者としてカウントされるようです。

 

陽性者とは

「陽性者」という言葉が出てきたのでその定義について確認します。

筆者は医学について全くの無知ですが、医療法人社団稲垣耳鼻咽喉科医院の記事では「陽性者」と「感染者」は定義が違うということが書かれています。

 

・「陽性者」の中には無症状の方も大勢います。この方々は厳密に言うと「感染者」ではありません。

・普通のカゼやインフルエンザも同じですが、ウイルスが体内に侵入し、増殖して初めて「感染」が成立します。

・人間には外敵から身を守る「免疫機能」があるので、仮にウイルスを吸入したとしても必ず感染するわけではありません。

しかし新型コロナの診断に用いられるPCR検査は、粘膜にウイルスが数個でも付着していれば「陽性」になることがあります。

 

https://inagaki-ent.com/blog/1356/2020/12/20/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%80%8C%E9%99%BD%E6%80%A7%E8%80%85%E3%80%8D%E2%89%A0%E3%80%8C%E6%84%9F%E6%9F%93%E8%80%85%E3%80%8D/

 

また厚生労働省のHPでは、PCR検査の検査結果に「感染者」という言葉は使われておらず「陽性者」という言葉が使われています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16523.html

 

各報道機関が発表する「感染者」の数のデータソースが厚生労働省が公表する資料であるとすれば、

「新型コロナウイルスの感染者」という報道は正しくは「新型コロナウイルスの陽性者」と言うべきだと思われます。

 

日本全体の死亡者に占める新型コロナウイルスによる死亡者の割合

日本のここ5年間の死亡者数は約130万人~約140万人となっています。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/dl/04_h2-1.pdf

 

令和2年(2020年)の死亡者数は2021年5月2日時点では公表されていませんが、仮に令和2年の死亡者が130万人と仮定して、日本全体の死亡者に占める新型コロナウイルスによる死亡者の割合を計算してみます。

・令和2年の死亡者数を130万人と仮定

・令和2年の新型コロナウイルスによる死亡者数を1万人と仮定

 

1万人/130万人 = 0.00769… ≒ 0.76%

 

上記の仮定に基づく計算によれば、

令和2年中の日本全体の死亡者に占める新型コロナウイルスによる死亡者の割合は約0.7%となります。

 

癌による死亡者数と死因割合

2019年癌のによる死亡者数は376,425人、2018年は373,584人なので年間で約37万人が癌で亡くなっていることがわかります。

また2019年の癌による死亡者数の割合は約27.3%となっています。

 

数字の根拠とした年は違いますが、上記をもとに癌による死亡者数と新型コロナウイルスによる死亡者数の比率を計算してみます。

約27.3% / 約0.7% = 約39倍

 

癌で亡くなる人は数は新型コロナウイルスで亡くなる人の約39倍となりました。

 

 

※第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/dl/10_h6.pdf 

 

 

編集後記

厚生労働省の報道発表資料ビジュアル化した東洋経済オンラインのサイトは数字の確認をするのに便利です。

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

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