なぜ答えをすぐに見てはいけないのか。~テスト効果と流暢性の罠~

なぜ答えをすぐに見てはいけないのか。~テスト効果と流暢性の罠~

なぜ答えをすぐに見てはいけないのか。~テスト効果と流暢性の罠~

 

「出来ない問題に当たるとすぐに答えを見ちゃうんだよなあ」という方向け。

 

すぐに答えを見てはいけない理由を脳科学の観点から解説します。

 

なぜ答えをすぐに見てはいけないのか(テスト効果)

なぜ答えをすぐに見てはいけないのか(テスト効果)

人間が物事を記憶するのは、なにか新しいことを覚えているときではありません。

じつは人間の脳は学習内容を思い出そうとする時に記憶が定着するのです。

 

これをテスト効果といいます。

 

【レディガーとカルピックの実験】

大学生を

・テキストを読む→テストを受けるグループ

・テキストを読む→もう一度テキストを読むグループ

の2つに分け、2日後のテストの成績を比べました。

すると、テストを受けたグループの方が優れた成績を残しました。

また、1週間後のテストにおいてもテストを受けたグループの方が良い成績でした。

 

テストを受けるという緊張状態の中で、

「なんだっけなあ、なんだっけなあ」と

思い出そうとする事により記憶が定着するのです。

(このとき実際に思い出せるかどうかは関係ありません。、思い出そうとする行為に価値があります)

 

したがって、思い出そうとする作業を怠り、

すぐに答えを見る勉強は記憶の定着を阻害しているといえます。

 

すぐに答えを見ることよる弊害(流暢性の罠)

すぐに答えを見ることよる弊害(流暢性の罠)

すぐに答えを見ることによる弊害の一つに流暢性の罠があります。

流暢性の罠とは

なんとなくわかったことを完全に理解したものと錯覚すること

をいいます。

 

たとえば、

数学の問題を解いていてわからない問題に当たった時に答えをすぐに見るとします。

すると「ああ、この公式を使えばよかったのね。簡単じゃん」

と思った経験のある方は多いと思いますが、それが流暢性の罠です。

「はいはい、知ってる知ってる」ってやつです。

 

ところがこれはあくまで錯覚で、本当に記憶として定着したわけではありません。

先述したように、記憶の定着は思い出そうとする時に起こるので、

流暢性の罠にかかると、「わかった気になっただけで実はなにも身についていない」という

悲しい現実が待っています。

 

流暢性の罠の対策(自己解説)

流暢性の罠の対策(自己解説)

流暢性の罠に陥らないための方法の一つに自己解説があります。

自己解説とは「自分に自分で質問をして、答えていくこと」をいいます。

 

理解したつもりの内容でも自分で解説しようとすると意外と言葉が出てきません。

言葉が出てこないとかなりショックを受けますが、

流暢性の罠から逃れるための試錬だと思ってがんばりましょう。

 

具体的にはWHYHOWを繰り返すのが一番シンプルでやりやすいと思います。

なぜこの数字を使うのか?

どうやって計算パターンを組むのか?

こんな感じで自問自答していきます。

 

解説を見て「ふ~ん」と流すのではなく、

解説を読んだら一旦閉じて、自分で説明してみましょう。

 

解説を思い出そうとするテスト効果が働き、かつ

自己解説することによって流暢性の罠にかからなくなります。

 

まとめ:テスト効果を味方につけ、自己解説で流暢性の罠から逃れること

まとめ:テスト効果を味方につけ、自己解説で流暢性の罠から逃れること

まとめます。

・記憶は「なんだっけ、なんだっけ」と思い出そうとするときに定着する。(テスト効果)

・なんとなくわかった気になったことは実は何も理解できていない(流暢性の罠)

・流暢性の罠は自分で説明しようとすることで逃れることができる(自己解説)

 

ぜひご自身の勉強法に応用してみてください。

 

参考文献

偶然にも似たようなことをやっていたみたいです→実力テストの復習方法

 

 

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